本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
銀林みのる『鉄塔 武蔵野線』(新潮文庫)
第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

小学5年生の夏休みの1日、「鉄塔」好きの少年が電線をたどって1つ1つの鉄塔を訪れていく。最後にあるはずの発電所を目指して。

ただそれだけの話。なんだけど、「ああ、あるあるある〜、そうなんだよ〜」というような、小学生感覚が強烈にリアル。ただ、最後の“ファンタジー”部分をどう受けとめてよいのやら。この、とって付けたような、唐突に現実から乖離したエンディング。

唐突であるからこそ、美しいからこそ、辛い。結局この子は、現実を受け入れることができなかったのだ、現実はこの子にとって、ちっとも楽しくなかったんだ、というような気がして、主人公が幸せであればあるほど、読んでいるこちらは、かなしくなってしまう。

鉄塔 武蔵野線 (ソフトバンク文庫 キ 1-1) (ソフトバンク文庫)
鉄塔 武蔵野線 (ソフトバンク文庫 キ 1-1) (ソフトバンク文庫)
〔ソフトバンク文庫2007年/新潮文庫1997年/親本1994年〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
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