本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
西澤保彦『人形幻戯』(講談社ノベルス)
「チョーモンイン(超能力者問題秘密対策委員会)」シリーズ 3 冊目の短編集(シリーズ全体では 6 冊目)。

このシリーズは、どっちかというと一発ネタの短編連作形式ですっきりまとまってたほうが好きかな。ちょっと前に読んだばかりの番外長編『夢幻巡礼』が、主要キャラの直接的な登場なしでとにかくどろどろしていたので、こっちで神麻さんたち「なごみキャラ」が出てきてくれると、各事件内容のどろどろとしたイヤさとの対比で、ホッとします。やはりこのバランスが好き。

このシリーズは(というより、西澤さんの作品のほとんどは)、「人間ってここまで醜いことを考えつけるんだよ」というような内容になってしまうんだけど、同時に「それでも捨てたもんじゃない人間もいるんだよ」という部分も提示してくれるのが好きなのかも。どちらが欠けても、駄目なのだ。醜い部分の容赦なさもまた、作品に不可欠なのだ。

『夢幻巡礼』での主要キャラクターたちに暗い執念を燃やす者の存在とか、前作短編集で出てきた歪みの部分がこの短編集でも引きずられていたりすることとか、徐々に著者が予定する最終話への流れが形成されつつあるかんじだけれど、楽しみなような、怖いような。

人形幻戯 (講談社文庫)
人形幻戯 (講談社文庫)
〔文庫2005年/親本2002年〕
な行(作者名) | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









http://archive.mushi.pepper.jp/trackback/921878
前の本 | main | 次の本
+ about this blog
 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
 現在では捉え方が変わった本もありますが、感想文は誤字の修正など以外ではほぼ当時のまま。
 今後の実質的な更新はありませんが、コメント、トラックバックは受け付けています。