本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
西澤保彦『謎亭論処―匠千暁の事件簿』(ノン・ノベル)
しばらく離れていたけど、久々に読むとやっぱりこのキャラクターたち、すごく好きだわ。サブタイトルがこれってことは、このシリーズの主役ってタックだったのか(いや、なんとなく主人公持ち回りなのかなあ、というイメージでした)。短編集。

今回は、シリーズ第 1 作の『解体諸因』同様、大学卒業後の話のほうが多い。ウサコが大学院で心理学を学ぶ人妻だったり、学生時代に一番ぶっとんでたボアン先輩が女子校の先生なんていうカタギな職業で、しかもけっこう、いい先生っぽかったりするのって面白いよなあ。でも分かる気はする。実は人付き合いも気配りも一番向いてる人かもだもんね。『解体諸因』の頃より、学生時代の彼らに親近感がわいているので、なんだか感慨深い。

謎解きは相変わらずの「妄想推理」。証拠を確認なんかしないで、「こういうストーリーもありじゃない?」という提示がなされた時点でぷつっと最終ページになっていたりする潔さなんて、このシリーズだからこそ。

しかし一番ショックだったのは、なんといっても学生時代の話のほうでの(ネタばれ→)ボアン先輩の不倫事件(←ネタばれ)でしょう(笑)。うわあああんっ。

さりげなく、ほかの長編での事件群を踏まえて、作品ごとに登場人物たちの間の距離が微妙に変化しているさまなどが表現されており、なんとなくどきどきする。


謎亭論処―匠千暁の事件簿 (祥伝社文庫 に 5-3)
〔文庫2008年/親本2001年〕
な行(作者名) | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









http://archive.mushi.pepper.jp/trackback/921860
前の本 | main | 次の本
+ about this blog
 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
 現在では捉え方が変わった本もありますが、感想文は誤字の修正など以外ではほぼ当時のまま。
 今後の実質的な更新はありませんが、コメント、トラックバックは受け付けています。