本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
井辻朱美『幽霊屋敷のコトン』(講談社X文庫ホワイトハート)
先祖代々、継承されてきた「幽霊屋敷」の現在の管理人をつとめるコトンの、幽霊たちと過ごす平和な日々に、青年新聞記者や霊能研究家との出会いを通じて徐々に訪れた変化の物語。

若い娘でありながら、祖先の幽霊たちとまるで「隠居者」のように暮らすコトンの浮世離れっぷりに、妙な説得力が。だからこそ、「私はまだ若いのだ」と気付くくだりが、鮮烈。

しかし徐々に外の世界に目を開いていきつつも、本質的な部分を変化させないコトン(それはつまり、傍目からは「変わり者」でありつづけることを意味するだろう)に、なんとなく安心した。読み終えて残るのは、奇妙な捩れを残した不思議な爽やかさ。

幽霊屋敷のコトン
〔1992年〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
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