本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
高野史緒『架空の王国』(中央公論社)
ヨーロッパの小国に留学したヒロインが、到着早々殺人事件に巻き込まれる。殺された教授の後を継いだ若い担当教官は飄々と掴みどころのない王子様で……。ああ、「大人のためのおとぎ話」というのは、こういうものを言うのかしら、と思いました。淡々と洒落ていて、どこかピリっと辛くて苦くて。

迷路のような書庫に立ち込める、古い書物の匂いがありありと感じられ、そういうのが好きな人にはたまらないでしょう。学問としての歴史を考えたことのある人間なら、ハッと心を衝かれる言葉があるでしょう。学生の頃に読みたかったなあ。史学科にいた頃にこの本に出会えていたら、私はずいぶんと力付けられたに違いないのだ(この本が出版された頃には、とっくに卒業してたけどね)。

架空の王国 (fukkan.com)
架空の王国 (fukkan.com)
〔ブッキング,2006年/親本1997年〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
 現在では捉え方が変わった本もありますが、感想文は誤字の修正など以外ではほぼ当時のまま。
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