2000.03.31 Friday
駒崎優『足のない獅子』(講談社X文庫ホワイトハート)
13世紀のイングランド。領主の甥で王家の血を引いているのではないかとも噂される私生児のリチャードと、その従兄弟で領主の跡取り息子ギルフォードは、貴族の子弟でありながらも、わけあってこっそりと領民からやっかい事の処理を請け負い金儲けをしている。今回の仕事は、ユダヤ人の金融業者の家から盗まれた証書を捜し出すこと。
修道士カドフェル・シリーズの若い男の子バージョン、という評を読んで買い求めてみましたが「中世イングランドで探偵紛いのことをする」という共通設定があるだけで、思ったほどミステリしてなかった。ま、面白かったからいいや。主人公ふたりも良い子たちだし。気軽に楽しめるかんじです。
読み始めてすぐに、舞台が13世紀イギリス(エドワード 1世時代)ということに気付いて「どっひゃー」とのけぞってしまったんですが(私の大学卒論とかなりダブってんじゃん)、どうせ私の場合はもうほぼ記憶の彼方だし。
あとがきで作者自身も触れているように中世なんて、ただでさえ、どよどよっとした時代なのに、イギリスとか言ったら当時はヨーロッパのなかでは単なる辺境の後進国だったわけですが、その辺のどよどよじめじめ加減を、嘘っぽくならない程度にうまいこと誤魔化してティーンの女の子たちにも受け入れられるように書いているので感心しました。

足のない獅子
〔1998年〕
修道士カドフェル・シリーズの若い男の子バージョン、という評を読んで買い求めてみましたが「中世イングランドで探偵紛いのことをする」という共通設定があるだけで、思ったほどミステリしてなかった。ま、面白かったからいいや。主人公ふたりも良い子たちだし。気軽に楽しめるかんじです。
読み始めてすぐに、舞台が13世紀イギリス(エドワード 1世時代)ということに気付いて「どっひゃー」とのけぞってしまったんですが(私の大学卒論とかなりダブってんじゃん)、どうせ私の場合はもうほぼ記憶の彼方だし。
あとがきで作者自身も触れているように中世なんて、ただでさえ、どよどよっとした時代なのに、イギリスとか言ったら当時はヨーロッパのなかでは単なる辺境の後進国だったわけですが、その辺のどよどよじめじめ加減を、嘘っぽくならない程度にうまいこと誤魔化してティーンの女の子たちにも受け入れられるように書いているので感心しました。

足のない獅子
〔1998年〕