本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
河合隼雄『ファンタジーを読む』(講談社+α文庫)
児童文学系の定番ファンタジー作品数点を「たましい」という観点から解説。『はるかな国の兄弟』とか、『ゲド戦記』とか、なんか懐かしいタイトルが並んでいたので、読んでみました。

別に偉い学者の人として、ものすごい斬新な分析的視点を提供しているわけではなくて、深くはあるけれど非常にオーソドックスな読み方で、本人も楽しみながら各作品を紹介しているかんじです。多分これらの作品を読む「子供たち」は、別に河合隼雄に言われなくたって無意識に受け取っているであろうようなことを、敢えてオトナ向きに言語化してみました、というような。

この人は、ホンモノの「ファンタジー」と面白いだけの単なる「つくり話」を明確に区別していて、後者をかなりきびしい言葉で退けていますが、問題は「つくり話」が幅をきかせること自体ではなくて、その2つをきちんと区別するだけの能力がある読み手が段々少なくなってきていることではないかと。自信を持って「自分には見分ける能力がある」と言える人が、一体この世の中に、どれだけいるんだろうとか思いました。少なくとも私には自信ないです。自分の好きなものを読むだけ。で、最近「好き」と断言できるファンタジー、あんまりないんだよなあ。

なかなか興味深かったので、対になっているらしい『子供の本を読む』という本も探して読んでみようと思いました。

ファンタジーを読む (講談社プラスアルファ文庫)
ファンタジーを読む
〔1996年/親本1991年,楡出版〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
 現在では捉え方が変わった本もありますが、感想文は誤字の修正など以外ではほぼ当時のまま。
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