本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
佐藤良明・柴田元幸『佐藤君と柴田君』(新潮文庫)
東大の先生でアメリカ文学者で翻訳家で友人同士のお二人が交互に書いてるエッセイ集。正直言って、この方々が翻訳なさるようなジャンルの小説はほとんど読んでないし、音楽話なんかもついていけてないんですが、ちょこちょことあちこち面白かった。学生相手に英文をヒアリングさせたときの珍答続出話なんか、電車の中で読んでて噴出しそうになって困ってしまった。

あと、ずーんと心臓に来たのが、次の一文。柴田さん担当のページから。

翻訳の快感は、自分の痕跡がどんどん消えていくのを目撃することにある。

うん。これ、すんごく良く分かる。そのとおりだ。さすがに、偉い人はうまいこと言うなあ。今まで私がぐだぐだと言葉を連ねて考えてきたのは、みんなこの1文で表現できてしまうことだったのかも。東大の先生であり著名な文芸翻訳家であるような方の言葉を安直に「分かる」なんて言ってはいけないのかもしれませんが、これ読んだとたんに、視界がぱーっと開けたような気がしたのだ。こういう感覚を、「感動」というのでしょうか。

佐藤君と柴田君 (新潮文庫)
佐藤君と柴田君
〔1999年/親本1995年〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
 現在では捉え方が変わった本もありますが、感想文は誤字の修正など以外ではほぼ当時のまま。
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