本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
夏目漱石『吾輩は猫である』(新潮文庫)
明治38年から39年まで、雑誌『ホトトギス』に連載されていた、夏目漱石の小説家デビュー作。私と同じく「元号で言われてもピンと来ません」という方々のために注釈を入れると、明治38年というのは1905年だ。全然関係ないが、1905年といえば私にとってはまず、エラリー・クイーンの二人組がこの世に生を受けた年であったりする。まあ、それくらい昔ということだ。

どうして突然、十数年ぶりに夏目漱石など読んでいたのかというと、実はその後で、奥泉光『「吾輩は猫である」殺人事件』(新潮文庫)を読みたかったから。

で、たしかに一度は読んだことがあったはずなのに、まーったく内容を覚えていなかったことが判明。そうか、こんな内容だったのか。予想外の面白さでした。

文体がねえ、すごくかっこいい。ほとんど“あざとい”ほどにかっこいい。そしてそれが「猫」の一人称であるというのが、笑える。ああ、もうこれめちゃくちゃ“狙ってる”なあ……と思いつつ、狙いどおりに笑ってしまう。

作中の人物が受け取る手紙なんかが、見事に「〜候」で文末を締めるような文語体で、ああそうかこの当時はまだみんな、喋り言葉と書き言葉が完全に分離していて当然だったのか……とあらためて思ったりしてね。

吾輩は猫である
〔新潮文庫1961年/1907年〕
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夏目漱石「吾輩は猫である」
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| 日々のんぽり | 2016/05/03 12:00 AM |
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