本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
篠田真由美『琥珀の城(ベルンシュタインブルク)の殺人』(東京創元社)
篠田真由美は講談社の建築探偵シリーズしか読んだことなかったんだけど、創元でデビューした人だったのね。

面白かった。読んでて、非常に鮮明に「絵」が浮かんでくる。ただし、少女マンガの絵が。

ヨーロッパの古城で起った密室殺人。人形のように整った顔立ちの若き城主。謎を秘めた探偵役。語り手の金髪の少年はフランス貴族。薄幸の美少女との恋。ああああ、豪華絢爛古典的少女マンガの世界〜〜〜。

っていうか。同じことは、実は建築探偵シリーズを読んでても時々感じるんだけど、どうもこの人の文章って、私とは波長のずれたところで時折妙に「軽い」のだ。同じことを、もっと違う文体で書いたら、きっとマンガを連想したりはしないんだがなあ、と。ストーリーの流れのなかでイメージされるものと、表現の軽さとのギャップが気になって、たまにページをめくる手が止まってしまうのだ。この話なら、もっと重厚なかんじで書いてくれてもいいんじゃないか、と。

ただ、それは決して悪いことではないのかもしれなくて。読みやすいしなあ。とにかく、絵が浮かぶっていうのは、いいことだよなあ。少女マンガ嫌いじゃないしなあ。どっちかというと、同じものを、マンガで読んでいたら絶賛してたかも、というスタンスです。マンガとは言っても、連想したのは「非常に上質の」マンガなのだ、ということは明記しておきたい。

琥珀の城の殺人 (講談社文庫)
琥珀の城の殺人 (講談社文庫)
〔講談社文庫版1998年/親本1992年〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
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