本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
西澤保彦『ストレート・チェイサー』(光文社カッパ・ノベルズ)
ああ。好きだなあ、こういうの。こういう、人を食ったようなミステリ。

実は読んでる途中で、「なんでこういう奇妙な書き方をするんだかなあ、この人は。ここまで下手くそ(私に言われたかないだろうが)な文章書く人ではないと思ったんだがなあ」などとののしっておりました。……が、一番最後のたった1行ですべてを納得させてもらったわけです。

……なんてことは、本当は書かないほうがいいのかな。でも、これから読む人だって、本屋で購入した段階で既に有栖川有栖による「最後の一行であなたはのけぞる!」なんてキャッチコピーを見ちゃってるはずだから、まあいいか。このコピーを見て、身構えていたはずなんだけど、それでもその最後の1行が「こういうの」だとは思ってなかったもんなあ。はー。あの、最初に引っかかったときに、もっと深読みしていれば、あるいは……ううう。

もっと言えば、第一章の段階ですでに「なんか奥歯にものが挟まったような書き方だよなあ、でもこの人って、アメリカの大学出てるだけあって、時々変にもってまわった言い回しする人ではあるからなあ」と自分で自分を納得させた部分があったんだよねー。

鋭い人なら、私がひっかかった箇所でこのオチを予測してしまうのかもしれませんが、私は傲慢にも、「著者の作文ミス」で片づけてしまったのが敗因ですね。もっと謙虚に読まねば。ちくしょう、やられたぜ。くやしー。

くやしいけど快感なんだな、騙されるのが。この、「たった一行で全部片づけてしまう」っていうのも、すごーく私の好みなんだわ、うんうん。

つーわけで、このラストに持ってくためのレトリックをチェックして作品を味わい直すべく、今から再読します。では。

ストレート・チェイサー (光文社文庫)
ストレート・チェイサー (光文社文庫)
〔文庫版2001年/親本1998年〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
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