本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
西澤保彦『スコッチ・ゲーム』(カドカワ・エンタテインメント)
シリーズ前作『仔羊たちの聖夜』に続く、タカチ主役の話。前作は1年前の事件を読み解く話だったけど、今回はさらにさかのぼって、タカチが高校時代に遭遇した殺人事件だ。

実はこのシリーズ、初めて読んだときにボアン先輩の言動に惑わされたこともあって、コメディタッチのライトミステリだと思って読み始めてしまってるんです。シリーズの存在を知ったのが『麦酒の家の冒険』が出たときだしね。

で、今は、そうではなくて結構シビアなテーマも扱うシリーズなんだってことは分かってるんだけど、それでも時々つい「あれれ? いつのまにこんなヘヴィな話に?」と茫然としてしまうことがあるんですわ。

だから、角川もいいかげんに、カバー折り返しに「酩酊推理の合体パワーが炸裂」などという恥ずかしい惹句を書くの、止めてくれないものかと思います(前作でもこう書いてあった)。私のようなやつの勘違いを助長するだけだからね。

ミステリとしての面白さもさることながら、前作と本作で、何かと過去を引きずってるかんじだったタカチの事情の一端が段々明らかになってくるのも興味深い点です。

タカチという女の子は、たとえばタックなんかから見るととてもエキセントリックで謎の多い人だったわけで、そんなタカチから見ると今度はタックこそがものすごく不思議な人物なわけで、そういうシリーズごとに「語り手」が交代するのも、このシリーズのいいところだなあ、なんてことを思う。

今度は、ぜひボアン先輩の視点を軸に一作読んでみたいな。ああでも、一番「謎」な人だから、やっぱり謎のままでいてくれたほうがいいのかしら。

スコッチ・ゲーム (角川文庫)
スコッチ・ゲーム (角川文庫)
〔文庫版2002年/親本1998年〕
な行(作者名) | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









http://archive.mushi.pepper.jp/trackback/921209
前の本 | main | 次の本
+ about this blog
 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
 現在では捉え方が変わった本もありますが、感想文は誤字の修正など以外ではほぼ当時のまま。
 今後の実質的な更新はありませんが、コメント、トラックバックは受け付けています。