本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
新井素子『ふたりのかつみ』(角川文庫)
男に生まれたかった、勝美〈女〉、12歳。女に生まれたかった、パラレルワールドの住人である勝美〈男〉。二人が入れ替わって……と、言うお話です。

新井素子の本は、中学生の頃、ものすごい勢いで読みました。それで新刊の棚にあるのを見て表紙のイラストが吾妻ひでおだったりするのがいきなり懐かしく、つい年甲斐もなく買ってしまった。でも、なんだか変に読みにくかったんだな。新井素子って、こんなに読みにくかったっけ? 中学の頃は、こんな超スピードで読める文体、他にないよなあと思っていたのに、なんか変に引っ掛かってしまうのだ。私も歳取って、波長がずれてしまったのかね。そう思うと、ちょっと寂しい。でも去年出たコバルト文庫の『ブラック・キャット』最新刊は結構楽しんでさくさく読んだけどなあ。(これも買うとき照れた……でもシリーズものは続きが気になるんだもん、中学生の頃からフォローしてるのにまだ完結しないんだもん。)

あ、全然内容の感想になっていない……。えーと、でも、その、可愛いお話です。うん。いい子たちだ。

ただ、このままこのシリーズが進んでいけば、そのうちきっと勝美〈女〉も勝美〈男〉も、それぞれ自分のジェンダーを受け入れて彼らなりにいわゆる“可愛い女”と“しっかりした男”になってしまうんだろうなあ、という予感はして、へそ曲がりな私はなんとなく寂しいです。でも新井素子だから、きっとそうなると思います。

ふたりのかつみ
ふたりのかつみ
〔文庫1996/新書1993〕
あ行(作者名) | permalink | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
本文中の「去年」とはもちろん、1995年のこと。
| 2006年のならの | 2006/01/06 1:22 PM |









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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
 現在では捉え方が変わった本もありますが、感想文は誤字の修正など以外ではほぼ当時のまま。
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