本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
ひかわ玲子『至宝の佳人〜美族〜』(光文社文庫)
忘れた頃にやっと3作目が出たこのシリーズ、一体1作目って、いつ読んだんだっけか。多分まだ学生やってたなあ。

“美しい”というただその一点でそこに存在する価値があるかのような絶世の美青年と、彼が属するらしい「美族」と呼ばれる一族の謎。青年を取り巻く人々の死。彼の守護者である若き天才画家。一般人とは隔絶した上流階級の人々。

「あとがき」を見ると、この物語の原形は著者が17歳の頃に書き散らしていたものだとか。少しだけ“現実”から乖離したような疎外感を心のどこかに潜ませた、でも普通の多感な17歳の女の子(だったんではないかと私は想像する)が、こういった物語を延々と夢見つづけたこと。その気持ちは、私にはとてもとてもとても共感できる、ような気がするのだ。読んでて照れてしまうのは、そのせいかもしれない。そしてその女の子が大人になって、その夢想に“形”を与えてちゃんと完結編まで持っていけたこと。それを私は、心から「よかったね」と祝福したいと思う(←えらそうだな)。

至宝の佳人―美族
至宝の佳人―美族
〔1997年〕
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