本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
荒俣宏『新編・帯をとくフクスケ〜複製・偽物図像解読術〜』(中公文庫)
山口雅也『續・日本殺人事件』に出てきた「オートバイに乗るフクスケ」がインパクトあってずっと頭に残ってたせいで、なんとなくタイトルに惹かれてふらふらと買ってしまったんだけど、思わぬ拾い物でした。

「偽物図像」とは何か。ここでは、「芸術」を意図しないアート、「オリジナル」でない(つまり印刷物となって初めて完成品である)絵画、を指す。

この本のなかで、荒俣宏演じる老先生は12回にわたる「講義」によって、古今東西の図鑑・本の挿し絵・お札・ポスター・引札(江戸時代に使われ出した商店の宣伝ビラ兼ポスターのことだって!)等々を読み解いてゆきながら、こちらの思いもよらなかった解釈を導き出してくれる。

帯をとくフクスケ、それは“真実を晒す福の神”。無名の誰かさんが大昔に描いた小さな図像から、「世界」が見えてくる。

収録されている図版200点を見ているだけでも、わくわくします。最初にパラパラめくってみた時には結構気合入れないと読めないかなー、と思ってたんだけど、読み始めたら止まらない面白さでした。「大学の講義」の体裁を取った語り口もなかなか楽しく、かつ読みやすくて、気軽にページをめくることができます。

一つ残念だったのは、仕方のないことではあるんだけど文庫本なので図版が小さくて、本文で言及されてるディテールを確認しづらいところが時々あったこと。それでもカラーページもたくさんあって文庫にしては贅沢な作りなんだけどね。

新編 帯をとくフクスケ―複製・偽物図像解読術
新編 帯をとくフクスケ―複製・偽物図像解読術
〔文庫版1996/1990〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
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