本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
新井素子『星から来た船(上・中・下)』(集英社コバルト文庫)
中学生時代にハマった「星へ行く船シリーズ」の番外編。これは、実は最初に発売されたときに相当迷ったのですよ。シリーズ完結編『そして、星へ行く船』(1987年)から5年も間を置いて、1作目『星へ行く船』(1981年)から数えると実に11年の歳月を経て、こんなものが出てしまうとは。主人公あゆみちゃんに共感してほろほろと涙を流す(←ちょっとうそ)初心な女子中学生だった私も、このとき既に大学4年生。で、もろ少女漫画イラストの表紙の付いたコバルト文庫をレジに持っていくことを、ためらってしまったんである。

それがなんで、26歳の今になって急に手に取ったかというと。先日、やはり義務教育時代に新井素子にハマったという某氏とお話していて、彼が大人になってからもこの作品をちゃんとフォローしていたことが判明したからである。えらい! ファンの鑑! 私は一体、何にこだわっていたのでしょうか。私より年上の男の人に買えたコバルト文庫が、私に買えないはずはない!

で、本の中身。ああ、懐かしいなあ。あの頃おなじみだったキャラクターが、ぞくぞくと登場してきてなんだか切なくなります。キャラクターの皆さんが若かりし頃のお話なんだけど。20年間生き別れになってた「やっかいごとよろず引き受け業事務所」所長・水沢さんと後にここの腕利き所員となる弟・山崎太一郎さんとの再会、あゆみちゃん登場前に恋人同士だった太一郎さんと“レイディ”こと真樹子さんとの出会い、同時に起こった宇宙港乗っ取り事件の顛末、などなどを女子大出たての麻子さんの一人称で。で、私なんかはあの頃、太一郎さんがお気に入りキャラだったので、彼とレイディとの絡みがもっと欲しいところだったのだが、麻子さんの興味はひたすらに所長に向いているので、その辺はあっさり終わってしまって少し不満である、と(笑)。

それにしても、レイディって、レイディって……。本編ではあゆみちゃんが憧れる“貴婦人”だった真樹子さん、実はもともとハタチの頃は、こーんな豪快なぶっとんだ女の子だったのかあ。可愛いけど。そっかあ。私は先日「レイディのよう」などと言われて少し気を良くしていたが、もしかして言外に“危ないやつ”という意味が含まれていたんだったりして。私がまだこれ読んでなかったのをいいことに……ちくしょう。あ、貴婦人はこんな言葉使わないか(笑)。

星から来た船〈上〉 星から来た船〈中〉 星から来た船〈下〉
星から来た船〈上〉
星から来た船〈中〉
星から来た船〈下〉
〔1992〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
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