本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
西澤保彦『死者は黄泉が得る』(講談社ノベルス)
えっ!?

ちょっと、ちょっと待ってよ。えーと、あの時あれがこうなって、ああなって、ここでこう書いてあったから、ああそうか、だからここはこうね、けどそしたらこれは……でもでもなんでっ!? このラストって、一体!?

……ややこしい。とっても、凝った本です。私は、これをぶっ続けに2回読んで、やっと納得しました。納得……と言っても、実は匠千暁くん並みの“妄想推理”を一部適用しなければなりませんでした。他の人は、どうだったんだろ。うん、確かに、ああ考えれば、こうなるんだけど……確かにあり得る話なんだけど……うーん。これ読んだ皆さん、すんなり判ったの? 私の頭が悪いだけ!?

とにかく、設定がぶっとんでるよね。もう、とにかくこの話を成立させるためだけに、作った設定、という。死者が蘇る機械があって、蘇った死者は生前の記憶をなくしていて、しかも「生ける屍」の新しい仲間が増えるたびに、他のメンバーも記憶をリセットされなければならない、という。他にも色々細かい設定があって。これ全部頭にたたき込んだ上で読み進めないといけないわけで、読者の側の頭の柔軟さが試されるところです。

贅沢を言えば、キャラクターに感情移入できるような書かれかたはされていないので、それがちょっと物足りないけど、パズルとしては楽しめるよね。うん、面白い。西澤ワールド健在!

ただ、さらに勝手な言いぐさですが、それでもやっぱり、私は西澤さんがこの作品を書く原動力になったという、山口雅也さんの『生ける屍の死』の方が好きなのです。なぜか、という話になると、どうしてもネタばれしてしまうのですが。

死者は黄泉が得る
死者は黄泉が得る
〔文庫2001/新書1997〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
 現在では捉え方が変わった本もありますが、感想文は誤字の修正など以外ではほぼ当時のまま。
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