本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
法月綸太郎『頼子のために』(講談社文庫)
遅ればせながら、初めて読んでみた法月作品。

たった一人の娘、頼子を殺された父親が犯人を見つけ出して復讐殺人を遂行するまでを綴った手記で始まるこの物語は、事件の裏を探る探偵役・警視の息子でミステリ作家の法月綸太郎(そう、露骨にエラリイ・クイーンのパターンだったのね。思わず「にやり」としてしまいました。これ読むまで、知らなかったのです)が動きまわるにつれて、やり切れない結末に向かって収束していく。

うーん。暗い。私は結構、読者を突き放すようなラストは許せる方なんですが、でも、これって凄く怖いよ。犯人も被害者も探偵も、限りなく救われない。皆が「後ろ向き」で終わってしまう本。探偵すら、事件が終わった後まですっきりできないラストって、これも一時期のクイーンとダブるかな。

でも、ぐんぐん引き込むよね。図面を引けそうに、きっちりと良く練られて構築されたミステリって感じがしました。25歳でこれ書いたって、すごいと思う。何度も読み返してしまいそう気がします。

頼子のために
頼子のために
〔1993/1989〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
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