本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
西澤保彦『解体諸因』(講談社ノベルス)
とりあえず「タック物」は制覇するぞ、と思って買ってきました。これがデビュー作だったのね。他の2作では、タックこと匠千暁くんは大学生で事件の語り手なんだけど、ここでの登場の仕方は様々です。

“切断された身体”(腕をもがれたぬいぐるみのクマ含む)にまつわる謎解きばかりを集めた、連作短編集。

一冊通して読むと、かなり凝った本です。一つの物語が、意外なところで別の物語に繋がっていて、一つの事件が別の事件との絡みでどんどん違う顔を現していく。デビュー作から、かなり「とばす」人だったのね。こんなバラバラ殺人もあるよ、こんな解決もあるよ、こんなのはどう?……と、手を変え品を変え、執拗にたたみかけてくる。はっきり言って、ただの「なぞなぞ」集です。でも、それが嬉しい。結構、おいおいその展開は強引だぜ、とか思うんだけど、ここまで「遊んで」くれると許してしまうんだよな。この人の本はみんなそう。

くるくると違う模様を見せてくれる、万華鏡のような一冊でした。

解体諸因
解体諸因
〔文庫1997/新書1995〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
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