本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
岩谷宏『思想のためのインターネット〜ラジカルなコンピュータ2〜』(ジャストシステム)
前編に当たる『ラジカルなコンピュータ』(ジャストシステム)を読んでないんですけどね。

コンピュータがどうしたこうした、と言う話は、実は英語で読む方が判りやすいときがある。英語では特に難解な専門用語が多用されているという意識もなくそれなりに状況を把握しつつ読み通せたものが、訳そうとしたとたん「ガチガチ」の日本語になってしまったりするのだ。そこに着目して、日本語でももっと「ふつー」にコンピュータを語ろうよ、という観点で作られたのが、岩谷氏の『ラジカルなコンピュータ用語辞典』(ソフトバンク)。これは、私のような本来文系なのにこの手の話について“知ったかぶり”しなければ仕事にならないという人間には、大変ありがたい辞典です。読み物としても面白い。

で、本書『思想のためのインターネット』。ここでも、著者が懸命に訴える思想の一つは、「コンピュータを(理系の)専門家たちだけのものにするな」ということだ(と思う)。ただし、Windowsがプレインストールされたお茶の間パソコンの普及、というのとは正反対の意味で(だ、と思う)。テレビや掃除機のように「原理は判らないけど、簡単に使える」ブラックボックス的なものとしてではなく、もっと原始的(?)なツールとして、ユーザ各々がそのシステムを把握し自分の望むところに合わせて使いこなすためのものとして、コンピュータは在るべきだ、という(ことだと思う)。

岩谷氏は、各人が(マイクロソフトの)押し着せOSやアプリを一方的に受け取るのではなく、自分で個人的な用途に合わせたプログラムを組むのが当たり前となっている未来像を描いてみせる。文字だってその昔は特権階級にだけしか理解を許されない情報処理手段だったが、現代では読み書きが出来ないと普通の社会生活さえ送れない。それと同じ理屈さ、と。

えーと。理屈は、判る(ような気がする)。マイクロソフトは悪魔の使いだ(笑)。でもさー、誰でも文字が理解できるようになった今だって、自分にとって理想的な推理小説が本屋にないから自分で書きますって人が非常に少数派であるように、やっぱりそうそう皆が皆、自分でプログラム組みたいとは思わないと思うぞ。大体、そういう社会に方向付けするには、まず一般の日本人がもっと、もっと、もおおおーっと、ヒマにならなきゃだわさ。とにかくそういう論調の話が色々あって、なんとか私にも理解できた範囲内でしか言えないが、確かにラジカルな一冊なのでした。わけ判んないなりに、面白かったよん。

直接関係ないけど、UNIXユーザって取り合えずWindowsやMacのユーザには冷たいんだよねえ……という話を、こないだお友達としたばっかりだ。

思想のためのインターネット―ラジカルなコンピュータ〈2〉
思想のためのインターネット―ラジカルなコンピュータ〈2〉
〔1996〕
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