本の虫

虫干し読書録

こ ん な 本 を 読 ん で い た 。
高橋克彦『即身仏の殺人』(実業之日本社ジョイ・ノベルス)
浮世絵研究家の塔馬、推理作家の長山、編集者の亜理沙らの面々が登場する作品としては、『パンドラ・ケース』(文春文庫)、『南朝迷路』(実業之日本社ジョイ・ノベルス)に続く3作目になるのかな? 歴史物としてはシリーズ2作目? 塔馬さんはあちこちに登場してますけどね。

大学の同級生だった彼らの、大人になってからの再会に絡む殺人事件を描いた『パンドラ・ケース』がかなり読み応えのある重い話だったのに比べて、後の2作は結構さくさく軽めに楽しめます。

今回は、山形県の山村で地中から発見された謎のミイラとその盗難、それに関わっていると思われる連続殺人…をめぐる歴史ミステリ。

私は史学科卒のくせに日本史音痴だから、恥ずかしながら湿度じめじめの日本でミイラを作ってしまう仏教の宗派があったなんて、そういえばそんなの昔テレビでやってたかな、程度でした。いつもながら、高橋さんの本は色々とうんちくが面白くて読みやすくて勉強になる。

あと、亜理沙さんたちの関係が好きかな。学生時代と同じ、というか、大人になった分もっと、どろどろしたもののないさっぱりした、でも腹を割って話せる仲の良さ。いいなあ。私も、30代・40代になったときこういう友達とこういう会話を出来ていたらいいな。

……なんてことを考えながら読んでるとね。実は読み終わった後、問題の「殺人事件」の影がものすごく薄かったりする。今、最後のところを読み返すまで、犯行の詳細を完全に忘れていた。それ以外の要素が楽しすぎるんだもん、ということにしておこう。

即身仏(ミイラ)の殺人
即身仏(ミイラ)の殺人
〔文庫1998/新書1995/単行本1990〕
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 かつて存在した「本の虫茶房」というサイトの1996年から2000年の読書メモと、現行サイト「虫の居所」の2002年までの読書メモを再掲載しています。
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